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2008年9月12日更新
この本が好き!

この本が好き! 第7回
なつかしい友だち『長くつしたのピッピ』
青い鳥文庫編集部 ス

青い鳥っ子のみなさん、はじめまして。
6月から新しく青い鳥文庫編集部のなかまに
なりました、スです。
よろしくおねがいします!

さて、好きな本を紹介するこのコーナーのバトンを
ぽにゃらTさんから受けとったものの、
1冊にしぼるのってホントにむずかしい……。
むかし買ってもらったまま今でもずーっと持っている本とか、
図書館で借りたか学校で読んだかで手元になかったので
大人になってからまとめて買いなおした本とか
(これぞほんとの「大人買い」?)、
ああでもないこうでもないと、いろいろ考えたのですが、
決めました! せっかくなので、青い鳥文庫にも
入っている本を紹介しますね。

それは、『長くつしたのピッピ』。

アストリッド・リンドグレーンというスウェーデンの
作家さんが書いた、長〜く読みつがれている
児童文学の名作です。
主人公のピッピは、9歳の女の子。
小さな町の町はずれにある家に、たったひとりで
住んでいるのです。(あ、さるのニルソンくんと、
馬もいっしょなんですけれどね。)
おもしろい本を読んでいるのに「もう寝なさい。」
っていったり、テレビが見たいのに「宿題おわったの?」
なんていったりするお父さん、お母さんがいないおうち!
子どもの私は、それだけで「いいなぁ。」って思って、
ピッピの世界にぐいっとひきこまれてしまいました。

一番よくおぼえているのは、ピッピが床いちめんを使って
ショウガ入りクッキーを作っていたシーン。
床におお〜きくクッキーのたねを広げてのばして、
ばんばん型でぬいて天板にのせて、
じゃんじゃんかまどで焼いていくのです。
このスケールの大きさ!
本当に家でやったら絶対に怒られるにきまってるんですが、
きっと「バケツでプリン」並みにやってみたかったんだと
思います、当時の私。


もうひとつ覚えているのは、ピッピの名前です。
ピッピロッタ・タベルシナジナ・カーテンアケタ・ヤマノハッカ・ウクライナノムスメ・ナガクツシタ。
これ、見ないで書きました。
で、正解は、
ピッピロッタ・タベルシナジナ・カーテンアケタ・ヤマノハッカ・エフライムノムスメ・ナガクツシタ。
(訳した人が違うので、青い鳥文庫バージョンではこれとは別の名前が見られますよ。)
当時の私が「ウクライナ」を知っているわけがないので、
これは後年、記憶が上書きされたものだと思われますが、
20年以上たっているのによく覚えているものです。我ながら感心します。
(ちなみに、小学校2年生のときにおぼえた寿限無も、いまだにほとんどそらで言えます……。)
小学生のころって、本当に吸収力がすごかったんだなぁと思います。

わくわくしながら読んだことは覚えていても、
大きくなってからは読み返していなかった『長くつしたのピッピ』ですが、
2005年に、絵本界のノーベル賞ともいわれるアストリッド・リンドグレーン賞を
荒井良二さんが日本人で初めて受賞されたとき、
その賞状の上のほうに、リンドグレーンの生み出したキャラクターたちが
シルエットで描かれていたんです。
まんなかにすっくと立つ、馬をもちあげた女の子のシルエットを見たときに、
「あ、ピッピ!」と、なつかしい友だちを見つけたような気持ちになりました。

そして今回、この原稿を書くために久しぶりに読み返してみて、
やっぱりおもしろいな〜とあらためて思いました。
ものすごく力持ちで、いたずら好きで、
ぎょうぎは悪いけど、まちがったことは大きらい、
大人にだって、いじめっこにだって物おじせずにはっきりものを言うピッピ。
読んでいると胸がスッとします。

みなさんも、秋の夜長にクッキーかじって、ピッピに会いにいってみませんか?

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