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2009年2月13日更新
この本が好き!

この本が好き! 第17回
くりかえしくりかえし、「自分を読む」本

『あおくんときいろちゃん』
児童図書第一出版部 紙魚

はじめまして。
現在刊行中の『獣の奏者』を担当している、紙魚です。
わたしの大好きな本は、
絵本『あおくんときいろちゃん』です。

最初に読んだのは、幼稚園生のとき。
とびきりこの絵本が好きで
一日に何回も何回も、しつこいほど読んでいました。

*       *       *

なかよしの、あおくんときいろちゃんが、
まちでばったりあって、
あんまりうれしいものだから、
みどりになってしまいます。

けれども、みどりいろになってしまった二人は、
おうちに帰っても、
お父さんとお母さんにわかってもらえません。

「うちの あおくんじゃないよ」
「うちの きいろちゃんじゃないよ」
と言われる場面は、
何度通り過ぎても、そのたびに悲しくて。

絵柄もシンプルで、あらすじもシンプルで、
なのに、でこぼこな道のりをやっとこさ歩んだような
気分になります。

*       *       *

じつは、小学2年生のとき、
この絵本をクラスの学級文庫に
持っていったことがあります。

クラスの男子から、
「えー、おまえ、まだ絵本なんか読んでるの!」
とバカにされてしまったのですが、
確かに、本棚に並んでいるほかの本は、
長い文章が主体の、大人びた本ばかりでした。

でも、今でも、この絵本をひらくと、
そのつど、あおくんときいろちゃんの、
悲しい気持ち、うれしい気持ちがわきあがります。
子どものときに感じていたのと同じ気持ちです。

いやもしかしたら、あの頃よりもちょっとだけ大人になった分、
その分だけ、ちがうことも感じているかもしれません。

*       *       *

1冊の好きな本を、
長年にわたって、くりかえしくりかえし読み続けていくと、
それが自然と、「自分を読む」ことに
つながっていったりします。
その時々の状況に合わせて、
自分がこんなことを感じるようになったんだと
気づかせてくれることがあるのです。

私にとって、『あおくんときいろちゃん』は、
そんな本です。

児童図書第一出版部 紙魚
『あおくんときいろちゃん』

『あおくんときいろちゃん』
レオ・レオーニ/作 
藤田圭雄/訳
至光社

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