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2009年9月15日更新
この本が好き!

この本が好き! 第30回
大人になるのも、悪くない

『赤毛のアン』
まんが家 おおうちえいこ

青い鳥文庫読者のみなさん、こんにちは。
雑誌『なかよし・ラブリー』でまんが版の
「若おかみは小学生!」を描いている、
まんが家のおおうちえいこです。
いまガリガリと、藍竜さん編クライマックス執筆中です!

そんな中、本を紹介しちゃいます。
ふだんはまんがを読むことの多いわたしですが、
子供のころから大好きな本があります。
それは、モンゴメリ作『赤毛のアン』です。

とっても有名で、知ってる方は多いと思います。
アニメも映画も大好きでおもしろいけど、
原作、最高!!
もう読んでしまった人も、
大人になっても、ぜひ読みなおしてほしいです。
まったく、何度読んでもおもしろいのです!

*       *       *

子供のころはアンに感情移入して読んでいました。
わたしも空想好きな子供だったのです。
山形のいなかで育ったのに、さらにいなかの
美しい風景にあこがれていました。
「草原でお花つみをしてみたい。」
でも、家のまわりに田んぼはたくさんあっても、
草原はありませんでした。リアル田んぼは、
美しい緑色の時は水がはってあって遊べないし。

しょうがないのでちょっと広めの田んぼのあぜ道で、
「ここは草原、草原。」と思いこんで
小指のつめくらいのちっちゃい花をプチプチつんでみたり。
薔薇(ばら)色の夕焼け空を見ては、
「あんな色のドレスを着てみたい。ね?」
と友達に同意をもとめたり。
……痛い? もしかして痛い子ですか?
(でも友達も、「わたしはあっちの空の
もっと薄い色のドレスにするわ。」と言ってくれました。)

そんな感じで、こどものころにアンの物語を読んだときは、
モンゴメリ先生の風景描写にノックアウト。
桜並木も、アイドルワイルドも、そんな美しい風景
身近にないかな、と探してしまうくらいでした。
アンの空想ごっこにもついていけたのです。

*       *       *

でも、不思議なことに、大きくなってから読みなおすと、
アンが少々おしゃべりすぎる……と思ってしまったのです!
話はいいから早く手伝いしようよ、とかね。
そんなこと思う自分が悲しいと思いました。
知らず知らずに大人になってしまうのですね……。

ですが! そこはおさえて、読みつづけました。
すると、アン思いこみ激しいし、とかイラっとしたところで、
マリラのセリフ。

「ばかなことを言いなさんな。」
「アン、だまっておくれ。」

ざくざくとアンの空想話を切ってすてるマリラ。
それがとってもバランスいい!
マリラはつっこみ上手だったんだ!
子供のころは、つまらない大人
(大人ってつまらないと思ってました)と思ってたけど、
なんて魅力的な人だったの……!
と、気づいたのです。

さらに大人になって読むと、
マシュウも、リンド夫人も、ああこんな人だったんだ、と、
初めて会うような気持ちになったり。
こんなに人物が豊かにえがかれている、と知ることができ、
読みかえしてよかったと思いました。
(大人になるのも悪くない、とも。)

*       *       *

……というわけで、『赤毛のアン』、
まだ読んだことのない方は、子供時代にぜひ一度。
そして、大人になったら、
また読みかえしてみてはいかがでしょう?
みなさんはどんな風に思うのかな……。

200909まんが家 おおうちえいこ

『赤毛のアン(新装版)』
L.M.モンゴメリ/作
村岡花子/訳
HACCAN/絵
講談社 青い鳥文庫

『若おかみは小学生!(1)』
令丈ヒロ子/原作
おおうちえいこ/まんが
講談社 KCデラックス

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