


みなさん、青い鳥文庫の大人気作品『若おかみは小学生!』
は、もちろんご存じですよね。
この作品は実は漫画化もされていて、なかよし編集部から
単行本が出ています。
この2009年11月には青い鳥文庫版の小説と
なかよし版のコミックが、同時発売されるんですよ!
ぼくはそのコミックを担当している縁で、
この原稿を書いています。
さて、この一年でぼくが読んで好きになった本で
みなさんに読んでみてもらいたいもの、それは……
中田永一さんという作家さんが書いた
『百瀬、こっちを向いて。』という短編集です。
この中には恋愛をテーマにした短編が4本入っています。
少年期少女期の甘酸っぱい思いとコンプレックス、
そしてほんのりとした友情がふくまれていて、
心地よい読後感を残してくれます。
表題作の「百瀬、こっちを向いて」は、こんな感じ……。
主人公の相原ノボルは、自分の事を人間レベル2
(100点満点でです)で、クラスの最下層グループに属する
と考えているコンプレックスのかたまり。
いつもはじっこでひっそりと生きていたノボルが、
ある理由から、自分とは正反対の性格の百瀬という
女の子の彼氏のふりをすることになります。
百瀬にふりまわされ、笑えるけどつらい毎日を送りながら、
いつしかノボルの胸にはホントの恋心が……。
みなさんは、恋をしていますか?
恋をすると、人はみな弱気になって、自分の中の
コンプレックスに悩みます。
せつなくてちっとも楽しくない気持ちと、
とろけそうなふわふわした気持ちが交互にやってきて、
あなたをふりまわすかもしれない。
そして、これからするたくさんの恋のうちのほとんどは、
つらい結果に終わるかもしれない。
でも、ひとつ恋をしてひとつ傷つくたびに、
人は優しさを学んでいくから、恋はやっぱり素敵なもの。
この本を読むと、そんな気持ちに不思議と包まれていきます。
みなさん、これからもたくさん本を読んで、
たくさん恋をして、大人の階段を登っていってくださいね。
ちなみに、この中田永一というのは、有名な某作家さんの
覆面ペンネームとのうわさが、
読書好きの人たちの間では飛びかっています。
はたして、それはだれなのか?
そんなことを考えながら読むのも、
またおもしろいかもしれませんよ!


『百瀬、こっちを向いて。』
中田 永一/作
祥伝社