


みなさん、こんにちは!
広告局という部署で、企業の広告を雑誌などに掲載して
もらう仕事をしているOです。
昨年まで幼児誌の編集をしていたのですが、いまは
すっかり子ども向けの本からはなれてしまい、ちょっぴり
さびしく感じていたところ、このコーナーの話をいただき、
なんともなつかしい気持ちで引き受けました。
「なに読んでたかな〜。」と自分の少年時代を思い返して
みると、野球三昧(ざんまい)の日々を送っていて、
そのときに読んだ一冊を思い出しました。
それが「キャプテン」シリーズ。
弱小少年野球チームを描いた物語なのですが、
わたし自身も弱小チームにいたので、
親近感わきまくって読んでいました。
当時、この本がどこから出版されているかなんて気にも
しなかったのですが、青い鳥文庫から出ていたんですね。
なにか不思議な縁を感じました。
小学生以来20年ぶりに読み返したのですが、
意外に文字が小さくて、文章量も多く、
ちょっと当時の自分に感心。
なつかしさに身をまかせながら読みすすめていくと、
忘れかけていた気持ちが思い出され、
心がフワっと浮きたつ感じがするんですよね。
いま読んでもおもしろくて、一気に読んじゃいました。
万年ビリの弱小野球チーム「ブラック=キャット」が、
解散の危機から立ちあがり、快進撃をしていくという、
どこかで見た映画のような話ですが、
その映画よりも心理描写が細かく、
子供たちに降りかかる理不尽な悩みを
みごとに表現しています。
そしてなによりも、キャプテンの勇をはじめ、
チームメイトやそれを取りまく親やコーチが
とにかく個性派ぞろい!
万引きしてグレかけていたエースの秀治、
クールでオール5なのにKY(空気が読めない)な
吉野くん、定位置以外ボールを追わない洋太くん、
オンボロ塾の先生でコーチのゴロさん、
男勝りでおせっかい焼きのハーコ、
中華料理店を営む主人公の父親おっちゃんと
母親のマーちゃん。
そのほかにも、あげれば切りがないくらい
キャラクターがそろっているのですが、
特にわたしが好きだったのが、コーチのゴロさん。
ふだん飄々(ひょうひょう)としているのに、
いざとなるとグレかけた子供にも、
無責任な大人たちにもきちんと向き合って熱く語る
ゴロさんの姿は、「こんな大人が身近にいたらな〜。」
と本気でうらやましかったのを覚えています。
そしてそんなゴロさんが教える“麦塾”も
楽しそうでうらやましかったな〜。
ブラック=キャットのメンバーが学校帰りに
立ち寄るたまり場で、勉強だけでなく
小さな悩みごとも相談できちゃう場所なんです。
たあいもないことなんだけど、本人は超真剣。
そんなこの年頃の悩みを親身になって
アドバイスしてくれる存在って、
現実の世界ではなかなかいないんですよね。
キャプテンの勇を中心に、最初はたよりなかった
「ブラック=キャット」のメンバーたちが、
かべにぶつかりながら、ゴロさんや秀治など
さまざまな人たちと出会い、ひと夏を越えて
大きく成長する姿は、スカッと爽快(そうかい)な
気分にさせてくれます。
野球が好きなコもそうでないコも、
気分が晴れないときは、ぜひおすすめです!

『キャプテンはつらいぜ
―キャプテンシリーズ 1―』
後藤竜二/作
杉浦範茂/絵
講談社 青い鳥文庫
『キャプテン、らくにいこうぜ
―キャプテンシリーズ 2―』
後藤竜二/作
杉浦範茂/絵
講談社 青い鳥文庫
『キャプテンがんばる
―キャプテンシリーズ 3―』
後藤竜二/作
杉浦範茂/絵
講談社 青い鳥文庫