長年買いあつめてきた本があふれかえって、とうとうパンク状態になり、先日、おしいれの奥のダンボール箱にぎっしりはいっていたものを、泣く泣く処分することにした。
開けてひっぱりだしてみると、その数ざっと1000冊。ひさびさに目にする本もあり、「うーむ、なつかしいぞ。」などとついパラパラやっていると、時間がどんどん過ぎていく。
いそがないと日が暮れるな、と思ったそのとき! 「おおっ、これは!」と、思わず絶叫(ぜっきょう)してしまった。だれかに貸してなくしてしまったものとばかり思いこんでいた文庫本「地底世界ペルシダー」シリーズ全7巻(E・R・バロウズ著)を発見したからだ。狂喜乱舞(きょうきらんぶ)とはこのことだ。よーし、さあ、読むぞっ……って、ンなことしてる場合じゃなくて、原稿書かなくちゃダメだろ。(^_^;)
話は変わって、先月はじめのこと。
仕事場に近い新宿御苑(しんじゅくぎょえん)大木戸門(おおきどもん)のあたりを歩いていると、おおぜいの消防士さんが集まっていた。そうかそうか、そういや、きょうは防災の日だったっけなあと思ったときだった。ひとりの消防士がいきなり「Mさん、こんにちは。」とあいさつする。消防署に知り合いなどいないので、「?」と首をかしげつつよく見てみると、なんと新宿3丁目でジャズクラブのお店をやっているタカシくんではないか。

なんでも地元の青年消防団にはいっていて、きょうは訓練でかりだされたという。消防服を着こんでいたためそっちについ目をうばわれて、よく知っている顔なのに気がつかなかったのだ。まさに「盲点(もうてん)」としかいいようがない。待てよ、これをミステリーのネタに使えないものかとふと思ったのだが、そういや、チェスタトンに似たような「制服ネタ」があったっけなあと思いなおした。
ともあれ、ミステリーの材料は日常生活のなかにもころがっている、というのがこの話の教訓なのであった。