6月1日(月)
この日は楽しみにしていた小学校訪問日です。
いいお天気です。
北投小学校に着いたとたんに、まずその校庭の広さ、校舎の大きさに感心しました。
「こっちは一年、三年、五年の奇数年の校舎、あっちは偶数年の校舎です」
「へー。広いですねー。」
校長先生は女性。すごく気さくで明るい方で、いっしょに写真を撮り、しかも「『若おかみは小学生!』を読みました。とてもいい作品です! 図書館に推薦しますよ!」とまで言っていただき、
もう感激もひとしおです。
写真を撮ったり、お茶をいただいたり、学校の教材を見せていただいたり、今日の予定の打ち合わせをしたり(授業見学後、給食をいただき、学校の図書室でお話会とサイン会、その合間を縫ってた台湾の新聞記者さんから取材を受ける、など、時間いっぱいのスケジュールです)のあと、五年生の教室に行きました。
お隣に通訳の8さんに座っていただいて、教室のど真ん中、子どもたちにまじって授業を受けます。
三国志が授業の教材。天才軍師として名高い諸葛孔明が苦しい戦いをどうやって切りぬけたかというシーンを、まず
子どもたちがお芝居で演じます。
諸葛孔明役の男の子が、元気でコミカルな演技をして教室内に
笑いが起きます。
それが終わるといよいよ授業。
「さあ、諸葛孔明はこの難局をどうやって切りぬけましたか?」
先生が問いかけます。たちまち生徒さんたちが手をあげます。みんなとても賑やかで元気。
先生の授業はとてもおもしろかったです。
というのは、単なる「物語の紹介」ではなく、現実、自分が困ったことになったときにどうやって切りぬけるか、ということにつながるお話だったからです。
またこれはサプライズだったのですが、「若おかみは小学生!」を五年生たちがあらかじめ読んでいてくれて、それも授業に取り入れてくださったのです。
「おっこちゃんは、困ったことにぶつかったときにどうしましたか?」
「はい! 思いついたらすぐに行動しました!」
「はい! 勇気を出しました」
「はい! ライバルであった真月に意見を求め、仲良くなりました!」
「はい! 落ち込んでもすぐに立ち直りました!」
林のように手が上がり、次々に答えが飛んできます。
「す、すごいですね。こうしてみるとおっこちゃんって、エライ子ですねえ」
「それに『若おかみは小学生!』って難局が多い話ですね。」
T編集長とうなずきあいます。
授業はあっという間に終わりました。
子どもたちと、先生と写真を撮り、お昼ごはんです。
給食は、いろんなおかずを各自で好きなものを好きなだけ取る方式です。これは、台湾では菜食主義の家庭があり、それも野菜だけしか食べない方式や卵はOKの方式など、その人によっていろいろなんだそう。
なので、野菜炒めや卵焼き、魚の揚げたものや、肉の甘辛煮などが並んだ器から、各自が自分に合ったものを取って食べるのです。
わたしや、8さん、T編集長、シャチさんのぶんを子どもたちがわざわざ取り分けて、机に用意してくれます。
見ると男性のおかずはお肉多め、女性はやや控え目で野菜多めなど、工夫して取り分けてくれています。
「謝謝!」
みんなにお礼を言い、のんびりした昼食タイムです。
御飯を食べながら、なんとなくおしゃべりタイムになります。
「雪を見たことがありますか?」
という質問が出て、ああー、そうか、暖かい国だものなあと改めて思ったり、
「ねえねえ。彼はイケメンでしょ!」
と、クラスで人気のジャニーズっぽい男の子を女の子たちが紹介してくれたり。持参したコミック版「若おかみは小学生!」を女の子たちに見せると、その中に出てくる金髪美少年キャラに「わおー!」と歓声があがったり。
当番の子が配ってくれたブドウをほおばりながら、のどかでのんびりと楽しい時間を過ごしました。
授業が終わったあとは図書館に移動。子どもたちの質問を受け、それに答えます。
「日本の温泉旅館では、みんなこんなに女の人が強いのですか?」
「どうして、美陽ちゃんのことを、真月ちゃんのお母さんは真月ちゃんに話してあげないのですか?」
「作家になるまでにはどんな仕事をしましたか?」
いろんな質問が飛び出します。
質問タイムが終わったら、賞品をかけて、じゃんけんタイム。勝ち残った子に、三采出版が作った特製おっこちゃんバックがプレゼントされます。
また私には、校長先生から、北投小学校の女子の制服であるチェックのかわいーいワンピースと体操服の大人サイズをいただきました。そのほか、北投小学校で使っている問題集やら、資料になるものをたくさんいただきました。
サイン会も無事すみ、学校を出た後も、先生方が「学校の子どもたちが、よく来る文房具屋さん」などを案内してくださいます。
「これをあなたにあげます」
と、昨日の温泉博物館の案内からずっと、お世話をして下さったO先生が木のキーホルダー(金運の神様のイラスト付き)をくださったり。
小雨降る中、名残惜しく小学校と、そこのみんなにおわかれしました
さてその後……。
ガイドさんに龍山寺を案内していただき、さあそれから……。前から行こうと計画していた縁結びで名高い、霞海城隍廟にシャチさんと私はYさんに連れて行ってもらうことに!
われわれは、日本にいるときからその廟のことを予習済み。日本のお寺に比べたら、かなり複雑なお参りの仕方をします。お供え物と、お線香を買って、その廟の神様すべてに真剣に参拝と祈願です。
もう結婚が決まっているYさんは「わたしは今お願いをして、もし迷うようなすてきな人にプロポーズされちゃったら困るから」という理由で、われわれを見守るのみ。
その日は、その廟にまつられている霞海城隍爺のお誕生日が近いということで、参拝者には記念に桃のおまんじゅうをくださいます。
「なんかよかったよね! 桃マンももらって、縁起がいいよね」
「ええ、よかったですよね!」
廟でいただいた、桃のおまんじゅうと月下老人のお守り、それに赤い糸をしっかりとにぎりしめて、今度は私の大きな目的の一つ「からすみ」のために、また移動。からすみだけはいい加減な気持ちで買えない。家族もこれを待っている。
シャチさん、Yさんとともに、お店を渡り歩き、各お店の値段とからすみの大きさや重さをしっかりと見比べ、
「うちの店のからすみこそ本物だ。ほかの店のやつはもう古くて傷んでいる」
ときっぱり言い切るおばさんのお店で購入。
このからすみを無事買えたという安心から、わたしはがくっと眠くなります。
三采文化出版の編集部に行かせてもらったのですが、なんと応接室で、社長さんやT編集長の会議が終わるのを待つ間に、爆睡してしまいました。
つづく