もうすぐお正月
もうすぐお正月ですねー。
「みなさんのおうちでは、どんなお雑煮を作りますか?」
こう聞くと、おどろくほど意外な答えが返ってきます。
というのは、お雑煮って、その土地によってぜんぜんちがう!
そのお家の人が、どこの出身の人かっていうので、お雑煮の味付けや材料が変わってくるのです。
関西では白みそに丸もちを煮るお雑煮、関東ではおすましに焼いた四角いもちを入れるお雑煮を作る。そういうのを聞いたこと、ありませんか。
わたしは東京で会社勤めをしていたときに、なんとなくお昼ごはんのときにお雑煮の話をしたことがあります。
「みなさんはやっぱり、おすましに焼いた四角いおもちなんですか?」
「そうそう。おすましで四角いもちで、鮭とかかな。」
「さ、鮭?大阪ではふつう、鶏肉と野菜で、魚は入れないですよ。」
「新潟ではイクラとかも入れるよ。北海道もそうじゃないかな。」
「へええ!」
「わたしの実家じゃ、白みそに丸もちだけど、あんこの入ったおもちだよ。」
「あんこ?甘くないですか?」
「甘いけどおいしいよ。高松はあんこもちなんだよね。親戚は関西なんだけど、赤みそだなあ。」
「赤みそー?!そんなの知らない!」
意外な盛り上がりで、話がつきませんでした。
その土地によって、おいしいものがちがうし、名産品もちがうのはみんなわかってはいるのです。
だけどお雑煮はお正月には日本人のほとんどが食べるスペシャルなメニューであり、「おもちの入ったおつゆ」というのが日本全国共通の、シンプルな食べ物でもあります。
それだけに、「自分のところとちがう」と、いちいちびっくりしたり感心したりしてしまうのでしょうか。
さて、ちょっとだけお雑煮について調べてみますと……。
関西で丸もち、東京周辺から寒い地方では四角いもちをお雑煮に使うようになったのも理由がありました。
江戸時代、現在の東京である江戸に、かなりたくさんの人が集中して住んでいました。そのため一つ一つ手で丸める丸もちよりも、長く伸ばしたもちをはしからカステラみたいに四角く切っていく、角もちの方が、手っ取り早くたくさん作れるから主流になった、という説が有力だそうです。
関西では、「円満」の意味を持つ丸もちは縁起ものでもあり、そのためによく使われるようになった……らしいです。
また、全国のお雑煮分布図を見てみると、岐阜県関ケ原あたりを境に、丸もちと角もちの分布が分かれているので、関ヶ原の合戦がもちの形が分かれた原因になったのでは?という説もあるそうです。
全国にはへえ、と思うような珍しいお雑煮もあります。
たとえば岩手県では、お雑煮に入っている焼いたもちを取り出して、くるみを擦ったものに砂糖やしょうゆで味付けした甘いタレにつけて食べるそうですし、奈良県ではお雑煮のもちに甘いきな粉をつけて食べるそうです。
赤みそのお雑煮は兵庫県や京都府の一部、鹿児島ではふつうらしいし、小豆汁を使っているのは鳥取、倉吉、米子、松江あたり……。
……と、これらのお雑煮を食べてらっしゃる方にとっては「珍しいお雑煮」でもなんでもないですね!
自分と自分のまわりであたりまえのことが、全国で見ればあたりまえでないことってたくさんあるんだな……。なんて、お雑煮の話をだれかとするたびに思います。
今住んでいる土地で根づいているお雑煮。それに、自分が生まれ育った場所で覚えた味のお雑煮が混じり合って、その家独特のお雑煮が出来上がって行くのでしょうね。
ちなみに大阪の、わたしの実家ではこんな感じでした。
元旦・白みそに焼いていない丸もちをそのまま煮る。金時にんじんと大根、鶏肉、薄揚げ、かまぼこ、みつば。ゆずの皮で香り付け。
二日目・おすましに丸もち。(おもちは固くなってきたら焼いて入れる。)そのほかの具は元旦に同じ。おすましの場合はとろろこんぶをちょっと入れることもある。
三日目以降は気が向いた方で作る。
父は大阪出身だが京都に住んでいたことがあり。母は兵庫県出身。
そう言えば昨日、忘年会で
「いやあ、うちでは両親が広島出身だから、お煮しめに慈姑(くわい)を入れるから、大阪の人にびっくりされて。」
なんて話を聞きました。
「うちでは慈姑は別に煮ますよ。はちみつなんかで照りを出してですね。」
「栗ってどうしてます?うちは、きんとんにはしないんですよね。」
……これ、おせち料理にまで話が及んだら、大変なことになりそうですね!