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「これをよむと、ほかのものがもっと読みたくなるというのが、ぼくのねらい。」
——みんなに『イッキによめる! 名作選』を2冊ずつ読んでもらったんですけれども、その感想は? むずかしかった?
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| はるか: |
むずかしくはなかった。「徒然草」も横に意味が書いてあったから、ふつうに読んだ。
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| 齋藤: |
『5年生』と『宮沢賢治』を渡したんでしたっけ。
参加したジュニア編集者に読んでおいてもらった本
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——声に出して読んでみたら、ふだん読んでいるのとどうでした?
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| ともこ: |
「バッテリー」を読んだら、頭にアニメーションみたいなのが出てきやすくなった。
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| 齋藤: |
「バッテリー」は、ほんとうはもっと長いんだよね。でも、クライマックスという盛りあがるところを一部でも読むと、また前とか後ろを読みたくなるじゃない。そこをきっかけに外に広がるというのかな。だから、これを読むと、ほかのものがもっと読みたくなるというのが、ぼくのねらいだったんだ。
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——あとは、自分だとえらばない本が入っていたりもしますね。
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| 齋藤: |
そうだね。この『5年生』はけっこう渋いんだよね。川端康成とか吉田兼好とか夏目漱石が入っているんだね。古いというか、有名だけれども、小学生があまり読まないような作品もえらびました。
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「声に出さないときよりも、おもしろいという感情が大きくなる。」
——あかねさんはどうでした?
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| あかね: |
宮沢賢治の「気のいい火山弾」がいちばんおもしろかった。
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——それも、声に出して読んでみた?
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| あかね: |
はい。
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——声にだしてみたら、なにかちがいましたか?
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| あかね: |
声に出さないときよりも、おもしろいという感情が大きくなりました。
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| 齋藤: |
ああ。ぼくは、「気のいい火山弾」がすごく好きだったんですよ。火山の石だけれども、すごくごきげんな連中で、火山の石がしゃべっているのは、なんとなくおもしろいよね。
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——世の中には、ほかに火山弾が主人公の話はないかもしれないですね。
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| 齋藤: |
世の中にないですね。だいたい、宮沢賢治の短編集を作るときも、「火山弾」は入らないかもしれないね。みんなは、わりと自然に声に出して読めましたか。
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| ともこ: |
自然にというか、やはり声を出して読むと、おなかから声を出して、すごくすっきりするというか。それと、ふだん、読んでいる本は、黙読していると、どんどん速く読んでいってしまって、つっぱしってしまうんですけれども、声に出して読んでみると、ひとつひとつの言葉をつかみながら読めるし。
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——すごい。
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| ともこ: |
わたしも、ようすがより思い浮かべやすくなる。
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| 齋藤: |
読み方の3か条にもあるけど、頭の中で文章を絵にしてみると、おもしろいし、効果もアップするんだね。
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「やはり文章は、すじだけじゃなくて、言葉のリズムとか勢いが大事。」
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| 齋藤: |
ぼくは「声に出して職人」と言われています。もちろんふだんは、ぼくはたくさんの本を読むから、全部を声に出しているわけではないけれども、ニーチェとか、好きなものはけっこう出してしまうんだよね。声に出していると乗ってきて、演劇しているような、演説しているようなふんいきになって、気持ちがぐっと入ることがあるんです。たぶん、ふつうに黙読しているときも、頭の中で声をだして読んでいると思うんだよね。自分で読むと、それがもっとはっきりするかもね。
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——げんくんは、年間350冊も読んでいるんだよね。さすがに全部は声に出せないと思うから、きっとふだんは黙読していると思うんだけれども、今回、声に出してみてどうでした?
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| げん: |
やっぱり感情移入がしやすいというか。そして、物語に入っていけます。
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| 齋藤: |
やっぱり物語に入りやすいのかな。
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| ともこ: |
音読すると、古い言葉のイントネーションがなんとなくわかったりとか。
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| 齋藤: |
イントネーションね。小学生でそこまで意識できるのは、すごいね。
そういえば、これをえらぶときに、音読して盛りあがるものという観点でえらびましたよね。
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——そうですね。
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| 齋藤: |
ストーリーとしては、おなじぐらいおもしろかったとしたら、読んでみたときにリズムがいいほうをえらんでみたんですよね。やはり文章は、すじだけじゃなくて、言葉のリズムとか勢いみたいなものが大事だからね。
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「むずかしいものも、何回か声に出して読んでいると、意味がわかってくる。」
——まさきくんは、ふだんも声に出して読んでしまうことがありそうな感じだったけれども、どういうときに?
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| まさき: |
夏目漱石とか宮沢賢治は、むかしの表現で、ちょっと理解しづらかったけれども、何回か声に出して読んでいると意味がわかってくる。
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| 齋藤: |
そうだね。ちょっとむずかしいものは、音読したほうが理解しやすいのかもしれないね。
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——また、『5年生』には古文の「徒然草」も入っていましたけれども、古文とか、高校になってからの漢文も、きっと声に出して読んだほうが入りやすいかもしれないですね。
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| 齋藤: |
そうだね。古文を入れてみたけれども、どうだった? さっき、はるかさんが「横に意味があるからだいじょうぶ。」と言ってましたけど。
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——あかねさん、どうでした?
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| あかね: |
ほかの本でむかしの話を読んでいるときは、2、3回読んでやっと意味がわかる感じですけれども、『イッキによめる!』だと意味が書いてあって、1回ですぐわかった。
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| 齋藤: |
こういうのは、やっぱり横に意味が書いてあるほうがいいと思うんだよね。それで、読むのは右側の古文を読むほうが味わいが深いというか。古文は、音読しないと、ちょっともったいない感じがしますね。
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