『チェインギャングは忘れない』
著者:横関大
「絆ってやつはさ、絶対に忘れちゃいけないものなんだよ」


護送車が襲撃され、五人の男が脱走した。
脱走した男の一人である大貫修二は、記憶を失い停車中のトラックの前で眠っているところを、ドライバーの早苗に蹴り起こされた。
その頃、数日後に迫った連続殺人鬼「サンタクロース」対策配備の準備をしていた池袋署の神崎と黒木は、大貫が脱走したという知らせを聞き、秘密裏に捜査をはじめる。
忘れた者、乗せた者、恋する者、探す者─。無関係に見えたさまざまな事実(サイン)がつながり、最後に待つのは意外な、されど爽快な真相!

みなさん、こんにちは、横関大です。ようやく三作目の長編『チェインギャングは忘れない』の発売となりました。デビュー三作目は小説家として勝負の作品である。そんなことが出版業界では囁かれているようでありますが、できるだけ肩に力を入れずに、私個人としては伸び伸びと書かせていただくことができました。
今回の物語は、護送車から脱走した、一人の記憶を失った男と、彼を巡る人々の「絆」のお話です。記憶を失った男をメインに据えた話を書きたいと、かねてから考えていました。もしも護送車から逃げた男が記憶を失ったらどうなるだろう? そう思いついた瞬間から、この物語は動き出し、キャラクターたちがそれぞれに躍動を始めました。最終的には満足のいく作品に仕上がったと感じています。
タイトルにある「チェインギャング」とは、人種差別が激しかった頃のアメリカの言葉で、直訳すれば「鎖に繋がれた囚人」です。言葉としてはネガティブなものですが、実はこの言葉には反面、別の意味もあるようです。本作を読み進めていただけたら、タイトルの意味がより深く理解できると思います。

1975年静岡県生まれ。武蔵大学人文学部卒業。
8年連続で江戸川乱歩賞に応募し、2010年
『再会』(講談社)にて第56回江戸川乱歩賞を受賞。受賞第一作に
『グッバイ・ヒーロー』(講談社)を発表する。