驚愕と衝撃! 圧倒的感動!
構想・執筆2年。芥川賞受賞後初、善悪の根源を問う渾身の長篇小説。420枚!
ヘヴン
川上未映子
「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」
彼女は言う。苦しみを、弱さを受け入れたわたしたちこそが正義なのだ、と。
彼は言う。できごとに良いも悪いもない。すべては結果にすぎないのだ、と。
ただあてのない涙がぽろぽろとこぼれ、少年の頬を濡らす。
少年の、痛みを抱えた目に映る「世界」に、救いはあるのか――。
「わたしたちは仲間です」……4月のある日、14歳の「僕」に届いた一枚のメモ。僕の斜視を「ロンパリ」と嗤い、日常的に暴力をふるう「彼ら」が見つけた新しい遊びかと塞ぐ僕の前に現れたのは、クラスメートの「コジマ」だった。彼女もまた、外見を不潔と罵られ、女子生徒から日常的に苛められていた。ひそやかに不器用に始まったコジマとの交流は、やがて、陰鬱でしかなかった僕の「世界」に輝きを与えていく。僕の世界に明るい面をくれたコジマとの友情は、永遠に続くはずだった。もし彼らが、僕たちを放っておいてくれたなら――。なぜ彼らは僕を苛めるのだろう。人はなぜ理由もなく人を傷つけられるのだろう。善と悪を分かつものは何なのか。人は何のために生きるのか――僕の悲痛な問いが胸を打ち、涙がとめどなく流れる、魂を揺さぶる感動作。
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『ヘヴン』
著者:川上未映子
定価:1,470円(税込)
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川上未映子 (かわかみ・みえこ)
1976年8月29日、大阪府生まれ。
2007年デビュー小説『わたくし率 イン歯ー、または世界』(講談社)が第137回芥川賞候補作に。
同年第1回早稲田大学坪内逍逍遙大賞奨励賞受賞。
2008年、『乳と卵』(文藝春秋)で第138回芥川龍之介賞を受賞。
2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社)で第14回中原中也賞受賞。
随筆集に『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』(ヒヨコ舎)がある。
善とは何か。悪とは何か。ふだん当然と思っていることを自分自身にも問う気持ちでこの物語を書きました。ひとりでも多くの方に、この物語が届くことを願ってやみません。川上未映子