講談社BOOK倶楽部
講談社創業100周年記念企画「この1冊!」

  


















ミッシーの小部屋を更新!
自己紹介
 
YA! ENTERTAINMENT編集部のミッシーです。 みなさん、はじめまして。
YA! ENTERTAINMENT編集部のミッシーです。
今回から、YA!ホームページの片隅にお邪魔させていただくことになりました。
このミッシーのコーナーでは、毎月二冊、ミッシーの本棚からミステリを中心にみなさんにお薦めの本を紹介していきたいと思います。
突然、そんなこと言って、じゃぁ、ミッシーってどんな人? って思う方もいるかもしれませんので、簡単に自己紹介をさせていただきます。
二十九歳、花の独身男子で、三度の飯より読書が好き、特にミステリが大好きだったので、大学生の頃、推理小説研究会に所属していました。
大学でも、文学部の日本文学科というところで日本のミステリの研究をし、大学を卒業した後も、大学の上の大学院というところにで、さらに研究を続けていました。
そんなミステリ好きの僕ですが、実は昔、あまり本を読まない子だったのです。
ところが高校一年生のある日、友だちにこの本おもしろいよ、と『十角館の殺人』(綾行人)という本を紹介されました。
それを読んだ当時の僕は、非常にびっくり。小説って、こんなにおもしろいものなのか、これはもっと読んでみたいと思い、まわりの本好きの友だちにいろいろと教えてもらったり、自分で探したりして、どんどん本を読んでいくようになりました。
本屋さんに行けばわかりますが、今、本屋さんにはたくさんの本が出ています。でも、そのどれが自分に合う本なのか、おもしろい本なのかっていうのはなかなか分からないと思います。実際、僕もミステリにはまっていった頃、本屋さんに行っても分からなくて困っていました。
このミッシーの小部屋では、おもしろい本探しているんだけど何かな、っていうそんな皆さんのお役にたてればと、ミッシーお薦めの本を紹介していきたいと思います。
そうそう、読者のみなさんの中で「動物が出てくる小説が読みたい」とか「海外の小説で面白い本ってない?」というような、こういう本を読みたいんだけれどというご希望があれば、「ご意見・ご感想」から「ミッシーの小部屋」宛てにメッセージを送ってくださいね。ミッシーのお薦めを紹介するだけでなく、みなさんの読みたいと思う本を探してきて、それも紹介できればと思っています。
 
5月のおススメ本!
豪華客船の爆弾魔事件
 
『豪華客船の爆弾魔事件』
青い鳥文庫
651円(税込)
著者・藤野恵美
画・HACCAN
みなさん、こんにちは。

さて、今回はYA!のWeb連載小説で「ぼくの嘘」を連載中の藤野恵美さんの最新作、「お嬢様探偵ありすと少年執事ゆきとの事件簿」シリーズの『豪華客船の爆弾魔事件』を紹介してみたいと思います。
青い鳥文庫ですから、すでに読まれている方も多いかもしれませんね。

執事見習いである、ぼくこと、夜野ゆきとが使えているのは十一歳にして二ノ宮家の当主である、二ノ宮ありす。
爆弾魔ロビンと名乗る人物によって、嵐野美術館に飾られていた幻の画家・ナルシスの『自画像、もしくは画家の誕生』という絵画が爆破されるという事件が起きました。
そんな事件が起きたにも関わらず、「海上の美術館」ともいわれる豪華客船クイーンアクア号では、ナルシスの『妹の肖像』を展示し続け、さらにオークションまで開催されることに。
爆弾魔ロビンを追いつめるべく、クイーンアクア号に乗り込んだ、ありすとゆきと。
はたして、お嬢様探偵ありすは、『妹の肖像』を守ることができるのか。そして、犯人の真のねらいとは?

豪華客船といえば、舞台設定としては「吹雪の山荘」や「孤島もの」に近く、航海中は外部から侵入することは難しく、また、外へ逃げるのも同じように難しいという、ミステリにはうってつけの舞台設定。
そんな豪華客船に物語が繰り広げられる作品ですが、きっと、解決編でなるほど、と納得し、それまでにはられた伏線を再確認するために、何度も前の方のページをめくってしまうはずです。
伏線が丁寧にはられた作品というのは、もう一度読んで伏線を一つ一つ回収しつつ、初読の時に気付かなかった伏線に驚くという楽しみ方があって、何度読んでも楽しめます。

ちなみに、ミステリを読みなれた方は読み終わった後、きっと「うまいなぁ」とため息をつくのではないでしょうか。あのトリックをこう料理してくるのか、と。

ミステリ初心者はもちろん、ミステリ好きにもお薦めの一冊ですので、ぜひ読んでみてください。

ちなみに、船繋がりといえば、YA!で楠誠一郎さんの「タイムスリップ探偵団」の姉妹編でもある「タイムスリップ・ミステリー」シリーズの『タイタニック沈没』も、タイタニック号が舞台となっています。こちらも未読の方はお手にとってみてくださいね。
豪華客船エリス号の大冒険
 
『豪華客船エリス号の大冒険』
創元推理文庫
987円(税込)
著者・山口芳宏
画・マツオヒロミ
さて、続いても豪華客船繋がりで、山口芳宏さんの「大冒険」シリーズから、『豪華客船エリス号の大冒険』という作品を紹介してみたいと思います。

この「大冒険」シリーズの魅力の一つは、名探偵が二人登場するということ。
眉目秀麗で白いスーツの行動派探偵・荒城咲之助、そして、左手が義手で学生服に身を包む頭脳派探偵・真野原玄志郎の二人。
タイプの違う二人の探偵の活躍が、弁護士・殿島直紀の語りによって描かれていきます。

というわけで、『豪華客船エリス号の大冒険』の内容を。

荒城の事務所を訪れた田村と名乗る男。
田村から語られたのは、13年前、イタリアで一目ぼれしたという写実的な人形のこと、そして、密航したイタリアから日本への引き揚げ船で見たという並走していた船の消失事件の話でした。
一週間後、今度は河崎と名乗る男が荒城の事務所を訪れ、田村という男が本当は友田という名であり、自分は友田と同居をしていて、その友田が死んだという事実を告げます。
そして、河崎から渡されたのは、友田の遺品から見つかった豪華客船・エリス号への乗船の招待状と、河崎の家の玄関にあったという伝説の犯罪者・夜叉姫から荒城へ宛てた挑戦状。
夜叉姫の挑戦に受けて立つため、豪華客船・エリス号へ乗り込むことになった荒城と殿島。
豪華客船で待ち受けていたのは、密室殺人と、夜叉姫からの挑発的なメッセージ。事件は連続殺人事件となり……。
探偵たちは、夜叉姫の正体、事件の目的を暴くことができるのか?

最後に明かされる「意外」というよりも「破天荒」と言った方が正しいと思わせるような真実も、この作品の面白さの一つ。
また、戦後すぐの昭和前期が舞台なこともあり、作中からは昭和期の探偵小説の空気感が漂っていて、江戸川乱歩や横溝正史のような作品が好きな方は、きっと気にいるのではないでしょうか。

この作品は「大冒険」シリーズの二作目で、一作目『雲上都市の大冒険』から始まり、現在、実質第三作目となる連作集の『蒼志馬博士の不可思議な犯罪』まで出ています。
『豪華客船エリス号の大冒険』を面白いと思った方は、ぜひ、一作目もしくは三作目へと手をのばしてみください。

ところで、豪華客船は「吹雪の山荘」や「孤島もの」に近いと書きましたが、豪華客船と、それら二つの一番の違いは「舞台が移動すること」かなと思っています。
山荘や孤島は移動しないですからね……、普通は……。
 
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