作家の部屋

おおきな きかんしゃ ちいさな きかんしゃ


講談社の翻訳絵本 クラシックセレクション
『おおきな きかんしゃ ちいさな きかんしゃ』
■マーガレット・ワイズ・ブラウン/文
■アート・セイデン/絵
■小池昌代/訳
■定価1,680円(税込)
■読み聞かせ:3歳から



内容紹介
 おおきな機関車と小さな機関車が、遠くの町トンブクトゥーめざして出発進行!たくさんの客車や貨車をしたがえて、二つの列車は、走ります。―1951年の刊行以来、全米で読みつがれてきた、ニューベリー賞作家マーガレット・ワイズ・ブラウンの傑作絵本登場!
内容紹介

著者紹介
マーガレット・ワイズ・ブラウン
 1910年、アメリカのニューヨーク市ブルックリンに生まれ、ロング・アイランドで育つ。バージニア州ホリンズ・カレッジから、ニューヨーク市のバンク・ストリート教育大学に進む。卒業後、出版社に勤務し編集者となる。15年の編集者生活のかたわら、100冊におよぶ絵本を書く。その後、執筆に専念。1947年に出した『おやすみなさい おつきさま』(絵/クレメン・ハード 日本では評論社より)で、圧倒的評価をえた、アメリカ児童文学・絵本を代表する作家。1952年、滞在先のフランスにて病没。享年42歳。

アート・セイデン
 1950年代から、アメリカで活躍したイラストレーター。いきいきとした動線と、色彩感覚ゆたかな楽しい作品には定評があり、現代アメリカを代表するイラストレーターといわれている。主な作品に、『The Animal's Playground』『The Turtle and Rabbit』(ともに米ランダム・ハウス社)『My ABC book』『The Little Engine that Laughed』(ともに米ワンダー・ブックス社)などがある。

小池昌代
 1959年、東京に生まれる。詩人。津田塾大学国際関係学科卒業。出版社で長年編集にたずさわったのち、現在は文筆業に専念している。詩集に、『水の町から歩きだして』『青果祭』『永遠に来ないバス』(1997年/現代詩花椿賞)『夜明け前十分』(いずれも思潮社)、『もっとも官能的な部屋』(書肆山田・1999年/高見順賞)、エッセイ集に『屋上への誘惑』(岩波書店・2001年/講談社エッセイ賞)などがある。絵本の翻訳で『ゆきが ふりはじめたら』(小社)などがある。
著者紹介



 遠足でも、旅でも、知らない場所に出かけていくことは、いつも、わくわくどきどきするものです。期待と不安とが入り混じって、自分の心なのに、いつもと少し違う。すべての出発は、自分が自分から、出ていくことなのかもしれません。初めての本を開くことも、旅に出ることに似ています。
 ここに二台の機関車があります。大きな機関車と小さな機関車。カラマズーという町をたって、トンブクトゥーへ向かっています。トンブクトゥーは、遠い遠い町。思うだけで心は、はるか、線路のように伸びていく。
 二台の機関車がたてる音は、同じようでちょっとだけ違います。その響きをどうぞ楽しんでください。気がつけばすぐに終点です。
 本を閉じたあと、心に線路のあとが残っていたら、絵本のなかの機関車が、あなたという駅を通過した証拠。通っていったのは、大きな機関車ですか。それとも、小さな機関車ですか。
 いつか、大人になった日に、絵本をもう一度開いたら、幼年時代の小さな旅が、そこからそっと始まるかもしれません。読むたびに、新鮮な旅が始まりますように。それではどうぞ、いってらっしゃい!

担当者からのメッセージ
 小池昌代さんから、この絵本の訳文の第一稿をいただいた最初から、部長の大竹は、「絵もいいけど、いい文章だなあ。思わず、声に出して読みたくなる絵本です。きっと評判になります。」と、言い続けています。マーガレット・ワイズ・ブラウンの文章が持つ、しなやかなリズム感を、訳者の小池昌代氏が、みごとに日本語に置き換えてくださいました。
 このクラシックセレクションでの(ワイズ・)ブラウンの前作は、『いろいろ こねこ』になります。前作の発表は、1949年。その2年後の1951年に刊行されたのがこの作品になります。その翌年、(ワイズ・)ブラウンがわずか42歳で旅行先のパリで急逝したことを重ねてみると、この『おおきなきかんしゃ ちいさなきかんしゃ』は、多作だった作者のあぶらがのりにのった時期の作品の一つといえます。また、このお話に出てくる「トンブクトゥー」という町は、実在の町ではなく、黄金郷キサナドゥーや至上の楽園シャングリラと同じく、この世の中で「最高の夢見る町」といった感じの架空の町のようです。かつて子どもだった大人も、いつか大人になってしまう子どもも一緒に楽しめる、一家で一緒に楽しめるすてきな絵本を出すことが出来ました。(すみません、ちょっと理屈っぽくなってしまいました。)黄色地に蒸気機関車の表紙が目印です。書店さんで見かけたら、ぜひお手に取ってすりすりしてあげてください。 (出)
担当者からのメッセージ