似ている。GyaOカップの公開練習よりも約2時間前に行われた両チームの練習を見てそう思った。練習メニューが非常に似ていた。特にハーフコートを使ったメンバー全員参加でのパスゲーム。端から見れば、どのチームでもやっている定番メニューだが、実際やってみるとパスを繋ぐのは非常に難しい。なにしろ、パスの出し手は瞬時にパスコースを見つけなければならない。一方、パスの受け手はハーフコートに十数人が入り乱れるなか、パスをもらうべくスペースに入らなければならない。そして両者の呼吸が合わなければならない。この練習は、チームの和と実力を測る上で非常に参考になる。それを、こともなげにやってのけた2チームがそこにいた。ガッタスと、そしてカレッツァはその域にまで達した、確かなチームになっていた。
試合前、カレッツァの野田監督が「今日は肉弾戦はやらない、フットサルをする」と言い切った。スフィアリーグで見られるような蹴りあいに終始するプレーでなく、ボールを回し、チームで崩す。そして相手の先を読み、未然にボールをカットする。フットサルをしないと、「20分という試合時間では、そのようなプレーをしなければもたない」とも言っていた。果たして、20分という試合時間は非常に短く感じられた。寒くて震え上がっていた駒沢屋内球技場を、両チームの「正真正銘のフットサル」が熱く燃え上がらせてくれた。
前半はガッタスの理想的な展開だった。カレッツァ戦のキーマンは藤本さんだと、試合前から思っていた。スフィアリーグ開幕戦で不発だったとはいえ、動きのキレは非常によかったと感じていたし、2005年7月の大阪、そして8月のお台場での準決勝と、ここのところカレッツァ戦では2試合連続で得点をマークしている。互角に組んでくる相手なら、藤本さんは力を発揮できる。彼女の先制ゴールが、野田監督の「フットサルをする」という言葉が実現できているということを、なにより証明していたように感じた。3点目を取った斉藤さんのゴール、シュートも素晴らしかった。が、是永さんのパスをひとつのコースに限定させなかったあさみさんの動きも光った。GK紺野さんは連発していた好セーブもさることながら、積極的にゴールエリアを出てガッタスの攻めを押し上げていた。普段のガッタス練習で見られる姿が、数多くの局面で見られた試合、特に前半だった。
カレッツァは、前半にヘディングから1点を返した。2004年11月のスポフェスを彷彿とさせるシーン。だが違った点は、得点者が背番号16の滝ありささんだったこと。カレッツァの選手層が厚くなったことを象徴する選手といっていい。ほかにも背番号25の太田彩乃さん、同19番の伊藤あいさんなど、これまでレギュラーとして長時間コートに立っていた選手と代わってもきっちり仕事ができる選手が増えてきた。そして赤坂さなえさんと田中かおりさんという2枚のGK。2点差を追いついたのには、2005年から徐々に蓄えてきた、「戦力の充実」という伏線が、確かにあった。
結局、後半に追いつかれたガッタスはPK戦で敗れた。ある程度自分たちが思っていることが試合で出せた充実感と、追いつかれ、PK戦で負けた悔しさ。でもそれとは別に、カレッツァとフットサルができた"嬉しさ"という気持ちも少しは残ったのではないかと推測してしまう。まだ、この2チームの切磋琢磨は続く。そして、この試合を見に来ていたスフィアリーグ参加チームの選手たちも、目標がきっちり設定できたはずだ。
そして…、勝てなかったとはいえ、ガッタスは確かな進歩の軌跡を残した。2月のスフィアリーグでは、恐らくこれまでで最高の内容と、そしてきっちりと結果を残しそうな気がしてならない。決して順風満帆でなく、壁にぶつかったときこそ真価を発揮するのが、ガッタスというチームだから。悔しさを糧にしながら、そしてたぶん、少しの嬉しさを感じながら、ガッタスの視線はすでに2月に向けられている。
(1月23日記 Ryo)