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vol,1セルジオ同窓会ウラ話 (9 Jun, 2003)

 日本にサッカーを普及させるため、「草の根活動」を数十年にわたり行っているセルジオ越後氏。テレビではおなじみ「辛口コメンテーター」。ときには辛辣な言葉も出てくるが、それも日本サッカーを愛すればこそ、であることが話の端々から受け止められた。そんなセルジオ氏を囲んで行われた「セルジオチルドレン同窓会」(『フットボール ニッポン夏号』掲載)。誌面の都合で記事にできなかった話をちらっとご紹介。お題は「フットサル」。では──

今、フットサルがブームだけど、昔はまず体育館の責任者に説明しに行くのがたいへんだった。ミニサッカーがしたいから場所を貸してください、って言うんだけどね。サッカーは外でやるものっていう認識があるから、なかなかわかってもらえない。違うボールで蹴り方も違う、って説明はするんだけどね」(セルジオ越後氏)

 セルジオ氏が来日して約30年。昔は今ほど、「フットサル」という言葉も認知されていなかったんですね。そんな対応にめげることなく? セルジオさんは日本全国、1000を越える市町村でサッカーを教えていたとか。脱帽です。その中で出会ったのが今ご登場いただいた、三浦泰年氏(ヴィッセル神戸所属)、三浦哲治氏(静岡産業大学サッカー部総監督)、平岡和徳氏(熊本県立大津高校サッカー部監督)、礒貝洋光氏(ゴルファー)をはじめ、延べ50万人以上の少年少女たち。本誌では彼ら教え子を「セルジオチルドレン」と呼ばせていただきます。

ロナウドもリベリーノ(ヤスさんの少年時代の憧れの選手)もフットサルでサッカーの技術を覚えたんだよね」(三浦泰年氏)
W杯トルコ戦のロナウドのゴールは印象的だよね。あれはトゥキックだった」(三浦哲治氏)

 トゥキックの原点はフットサルにあり。それを体現しているのがフットサル出身のロナウド。フットサルはコートが狭いので振りかぶらずに蹴られるトゥキックが重宝する、ということですね。ちなみにフットサルの起源はブラジル。ちなみにちなみに、サッカーの起源はイングランドです、念のため。

カズ(三浦知良氏)も一時悩んだあと、フットサルやって変わったでしょ? ゴール前でボールを受けて振り向いてすぐ打つ、なんていうのは全部フットサルの動き」(セルジオ氏)
サッカーのテクニックってフットサルではじまってフットサルで終わる、っていう部分がある」(礒貝洋光氏)

 ブラジルではビーチサッカーやストリートサッカーも一般的。柔らかい砂の上と堅いコンクリートの上では自然とボールの動きやバウンドが変わるので、いい練習になる。礒貝氏は小学生の頃、試合前の土曜になると、川沿いの荒れた砂場でトラップやボールコントロール、ドリブルの練習をしていたそうです。環境の悪いところでやっていると翌日、どこでやってもそれ以上の環境でできる。「相当自信を持って試合に臨めた」。
 今は整った芝生でプレーをできることが多い。それ自体は歓迎すべきことだ。でも、今の参加者は「みんな僕らの時代よりうまくなった。でも、個性が無くなってきている」と口をそろえていた。セルジオ氏は「“土の時代”のほうが意外性のある選手が育った」と話す。平岡氏は「礒貝のような天才が出てこない」と表現した。

ブラジルは現役でも引退してもフットサルやる人ばかり。寿命長いもん。待ち伏せできるから(笑)。初心者でも子供でも女性でも点が取れるから楽しい。まったくの素人でも点取れる。やっぱりゴールはサッカーの醍醐味だから。虜になる。トレーニングの中で狭い局面の練習が多いじゃない。現代サッカーはコンパクトになったっていうけど、それってフットサルのことじゃんって思う」(セルジオ氏)

 やっぱりサッカーの醍醐味はゴール。先日の5月31日に行われた日韓戦では日本のシュートはわずか2本。ゴールの醍醐味どころかそこに至る過程もほぼ観られないという残念な結果でした。さて、今の日本代表選手のどれぐらいがフットサルの経験をしているのでしょう? 叶うことなら、現役選手のフットサル大会、ぜひ観たいものです。

(2003年6月5日 秋元)

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