title_ura.jpg(19672 byte)
Vol,10 事件は、パリで…… (1 Sep, 2003)

 睡眠時間をたっぷりとらないと体調が思い切り悪くなる私。なのに、ただ今、明け方までテレビにかじりついております。そうフランスで開催されている世界陸上にはまっているからであります。かねてから、「???」だった織田裕二のハイテンションぶりも、夜明けとともに心地よくなり、「織田、次はどんなコメントするかな」ってな具合に、織田を心待ちにし、完全にハマッている自分がいるから不思議です。前大会時に故ナンシー関氏が、「僕、以前から目をつけてたんですよ」と、結果が出てからしかその一言を言えない織田の愛らしさを斬っておられたコラムを読み返してしまったほどです。

 で、陸上競技の超花形種目・男子100メートル・2次予選2組のスタートで、フライングで失格となったジョン・ドラモンド(米国)であります。ドラモンドは、機械的に計測されるスタート反応時間が基準より短かったため、フライングと判定され、失格と相成りました。その判定に釈然としなかった彼は、コース内に寝ころんだり、マイクを通して「動いていない!」と猛烈アピールしたり……。「う〜ん、でも機械が判定したんだからなぁ。可哀相だけれど、仕方ないようなぁ」と思う一方、「このクラスにもなると、フライングしたかどうか、自分がいちばんよく分かるだろうしな」と反則をした選手をかばう自分もおりまして……。というのも、スロー再生ビデオを何見ても、(アナウンサーや解説者までも)フライングをしているようには見えなかったのであります。

 で、話はサッカーであります。今後、テクノロジーが進化して、ファールやオフサイドの判定がコンピューターによって施されるようになったら、どうなるのでしょう? (すいません、前フリが長くって)。 「コンピューターは間違えない。だけれど、もしかしたら誤作動しちゃったのかも……。コンピューターより選手が進化しちゃったのかも……」と思わず考えてしまう可能性があることを露呈した陸上競技の100メートル(だから、審判団も強制退場させられなかった?)。一方、「審判(人間)は間違える。だけれどそれを覆したら競技が成り立たない、だから判断は覆ることはない」と考えるサッカー。間違いが起こりうる可能性が高いジャッジ方法のほうが、そのレッドカードの強制力が強いとは! まさに開き直りの精神! こんなところにもサッカーのおもしろさはあるんですね。

 100分の1秒を争う競技ゆえ、100メートルでのコンピューター導入は仕方がないことですが、やっぱり、サッカーの試合は、永遠に人間の視覚、判断力だけにたよって、ジャッジしてほしいものです。いかに正確に判断されたとしても、それが審判の目にファールやオフサイドと認識されないのなら、それはやっぱり反則ではないのです! じゃなきゃ、セリエAがここまで人気がでるはずがありません! かの有名な「ジーコつばはき事件」が伝説になったのも、そのおかげであります(!?)。「あのミスジャッジがなければ!」と本気で憤り、日頃のストレス解消できるのも、それで延々と美味しいお酒が飲めるのも、サッカーの魅力のひとつなのであります(もちろんミスジャッジは、勘弁してほしいですが)!

 で、織田裕二。このフライング事件がおこり、初めて画面がスタジオにスイッチされた瞬間、織田は目をランランと輝かせながら「事件は、パリでおこっています!」と……。このコメントで、青島巡査部長は、次の世界陸上総合司会の座も揺るぎないものにしたのではないでしょうか。

(2003年8月29日 O)

取材ウラ話 Indexページへ戻る
フットボールニッポン公式サイト Topページへ戻る
講談社のプライバシーポリシー
本サイトに掲載の文章、画像、写真などを無断で複製、流用することは法律上禁じられています。すべての著作権は株式会社講談社に帰属します。
Copyright(c)2003-2005 Kodansha Ltd. All Right Reserved.