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Vol,11 ミックスゾーン (9 Sep, 2003)

 前々のウラ話で少し触れられていましたが、「ミックスゾーン」ってご存じですか? 一般のファンの方はなかなか入れる機会がないと思いますので、本日はミックスゾーンの話を少ししたいと思います。

 ミックスゾーンとは、選手が競技エリアから控え室等に戻る道筋や、控え室から会場の外に出る通路に沿って設置されている取材エリアのことです。

 取材許可証を持つテレビ局や記者は、ここで設けられた柵越し(ないところもありますが)に選手に直接声をかけ、試合の出来や今後の課題について話を聞く機会を得るわけです。ただ、前々のウラ話にもあるとおり、ここが本当に戦場なのです。

1.それほど広くない場所に、数十人の取材者が集まるため、場所取りがたいへんなこと
 その日の殊勲者やチームの中心選手には何人も取材者が集まるため、二重三重に人だかりができます。他の選手に話を聞いて、次の人に、なんて思ってもなかなか思うように動けません。
2.誰がどういう順番で出てくるかまったく予測できないということ
 先に出てきた選手に話を聞いていたら本命の選手が登場。ところがすでに人だかりが出来ていて、まったくコメントが取れなかった、なんていうことがざらにあります。
3.選手の近くに行けたとしても、声が小さい選手だと何を言っているのか聞きとりづらい、ということ
 もちろん取材現場にはマイクなんて存在しませんし、ざわついた中で話を聞きますから、選手の声がこちらに届きにくいということがままあります。
4.声をかけても何も答えずに足早に帰ってしまう選手が何人かいる、ということ
 そのときのコンディションや敗戦で気分が悪い、などそれぞれ理由はあるのでしょうが、「肉声をファンに届けたい!」と思って集まる我々にとっては残念なことです。と、愚痴を言ってもしようがないのですが。
5.とにかく速記、速記、速記しまくらないといけない、ということ
 いまはもちろんテープレコーダーやICレコーダーなんていう便利なものもありますが、前述の通り、声を拾いにくい現場です。ということはつまり、コメントはその場でメモをしておかないと、いざレコーダーを聞いてみたら雑音しか入っていなかった、なんて笑いごとじゃ済まされないことも。

 さて、ミックスゾーンを選手が通るときとほぼ時を同じくして、別室で監督の記者会見が行われます。ということはつまり、ひとりで取材に行くと、監督か選手か二者択一を迫られる、というわけなのです。まあ、選手のほうは順次退場、という感じですので、監督会見が終わったあとに駆け込めば、まだ何人か残っている場合はありますが。

 とまあ、試合が終わったあとのスタジアム内では、こんなことが毎行われているわけです。もちろん、9月10日のセネガル戦後も同じような状況でしょう。選手たちの肉声を正確にお伝えできるよう、記者たちは今日も耳を澄まして速記する訓練に勤しんでいるのでありました。

P.S. ネタらしいネタがなくて失礼いたしました。現在、フットボールニッポンでは9月25日発売の秋号に向けて、最後の追い込み段階に来ております、ということでご勘弁をm(_ _)m この号では「世界から見た日本の現在位置」を探るべく、海外組選手のインタビュー盛りだくさんでお届けいたします。

(2003年9月8日 秋元)

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