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Vol,28 谷澤4649(よろしく)(25 Jun, 2004)

 フットボール・ニッポン夏号(6月25日発売)で、柏レイソルの谷澤(達也)選手の連載コラムを始めました。なんで、低迷しているチームの補欠に? と思うかもしれません。FBNはレイソルびいきだからしかたないのだろうか? とか、本当は玉田にしたいのでは? など、様々な疑問もあるでしょう。でも、振り返ると2月くらいから谷澤の記事を作りたかったのです。

谷澤4649
取材時の谷澤選手とチームマスコットのレイくん

 というのは、サッカーセンスの良さと、多少意味不明な言動に魅力を感じたからです。また、ワールドユースでの平山のゴールを演出したパスを見たからです。教えてできるパスではありません。さらに、今年の「柏レイソル公式イヤーブック」を作る際に、選手一人ひとりに書いてもらったメッセージ、「未来と希望」というフレーズを見て、意外に綺麗な字を書くことと、多少意味不明な日本語の“つなぎかた”に魅力を感じたのです。
 さらには、今季、開幕時の活躍……予定通りと思ったんですが……レイソルは低迷しています。でも、サッカーにおいて、勝敗はたいした問題ではありません(持論)。スペインに勝ったポルトガルにしても、ヌノ・ゴメスがトラップが下手ゆえに、ボールコントロールに時間がかかり、かつ偶然にスペインDFの股を抜いただけです。偶然で「勝てば官軍」「負けたらダメ」では、あまりに選手がかわいそうです。
 レイソルにしても、今季はイマイチですが……それぞれの選手が、時たま、すごいプレーをするのですから、長い目で見てあげましょう。ちなみに、最近、評価の低い鈴木啓太(浦和レッズ/五輪代表)についても言いたいのですが、彼はパスが多少(かなり)粗い以外は、ポジショニングも運動量も素晴らしいです。

 会社の上司ではないけれど……みんな、もっとそれぞれの良い面を見てあげましょうよ。新聞記者はじめ、大マスコミの方々は試合結果から逆算するような原稿を書くことが多いですが、サッカーの面白さはそんなもんじゃないと思いませんか? 勝敗がすべてなら、'82年のワールドカップで世界中を熱狂させたにもかかわらず優勝できなかったブラジルの中心選手であるジーコはなんなんでしょう。

 話がそれました。谷澤に戻しましょう。言い訳ですが、話して面白いことを、そのまま文字にしても面白くないことは多々あります。谷澤の持ち味を生かすのは非常に難しいので、今は担当者も苦労しました。でも、熱意はすごいです。

 はるか昔、1980年代の話ですが、まだ僕が大学生の頃、とあるラーメン屋に友達に連れて行ってもらったとき、「最初はしょっぱいと思うかもしれませんが、何か食べると病みつきになります」みたいな口上が店に張ってありました。

 谷澤の連載もそんなもんだ、と思ってください。また、谷澤の連載をしてしまうFBNは、既存の他誌とはサッカーの見方が違うと思ってもらえれば……。

PS 今、リスボンでTVを見ていて、スペイン語とポルトガル語が非常に似ていることを再認識しました。もっと、大学時代に勉強していれば……。後悔先に立たずです。

(2004年6月23日)
文=木次成夫
写真=長濱耕樹

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