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Vol,31 予選敗退(17 Aug, 2004)

イタリア戦敗退
イタリア戦に敗退した山本JAPAN。監督はじめ、選手は一様に肩を落としてピッチを引き上げた。「36年ぶりのメダル」の夢は消えた……
 残念ながら、日本はパラグアイ、イタリアに連敗し、予選敗退が決まってしまいました。パラグアイ戦、イタリア戦とも点数差だけを見れば接戦でしたが、流れの中で守備陣を崩されまくったわけですから、完敗です。ともに優勝候補の国ゆえ、敗退は致し方ないことですが……。

対パラグアイ
1=なぜ小野をトップ下で起用したのでしょうか。パラグアイは守備を固めて、カウンター狙いをするスタイルを得意にしています。トップ下ということは、「相手の守備陣の近く」という意味ですから、守備的MFの位置よりもパラグアイは守りやすいわけです。そこで思い出したのは、アメリカワールドカップ予選の日本対韓国。オフト監督はラモスを中盤底まで下げることにより、韓国のマーカーをおびきだし、結果的に韓国の守備をとまどわせたのでした。フル代表でも小野は守備的MFの位置でプレーすることで、いっそうの持ち味を出していたわけですから、当然、そうすると思ったのですが……。

2=「中盤の底」と守備陣の連携でしっかりと守って、素早く前線につなげなかったのが敗因です。DFが相手と1対1の競り合いで敗れたのは、個々の力関係で相手の方が優れていた面もありますが、MFの守備の問題でもあります。そこで思い出したのは、当然ですが鈴木啓太の献身的運動量とコーチング。彼をはずして新しい構成になって1ヵ月にもなりません。鈴木をはずした理由が改めてわからなくなりました。

3=シドニー五輪で感動したことのひとつは、中田浩二が厳しい状況でもスライディングタックをしなかったことでした。味方のカバーリングを信頼して、少しでも時間を稼ぎ、そんな中田にチームメイトも応えました。が、この試合の日本は違いました。パラグアイの4点目が、その象徴です。闘莉王のカバーが、わずかに間に合いませんでした。

対イタリア
1=相手に楽にセンタリングをあげられるようでは、勝てるわけがありません。

総括
1=山本監督は、予選段階よりも「強いチームを作るべく」小野と阿部を共存させる布陣に出ました。小野は8月に入ってからの合流でした。阿部はプレースキックこそ魅力ですが、流れの中でのプレーには難があります。そういう問題を考慮した上で、山本監督は2人を起用したわけです。急造の中盤がDF陣にも悪影響を与えたとしか思えません。

2=結果的に“もうひとりのスピードスター”石川を1も起用できませんでした。イタリア戦の交代3人目に森崎を起用した際は、唖然としました。何がしたかったのか、不可解です。

3=選手個人の能力で負けた面もありますが、アジア最終予選以後の強化プランを含めて、監督のミスも大きかったと思います。小野を急遽入れて、中盤の組織力が高まると思っていたのでしょうか? なぜ高原はドイツリーグでベンチ入りしているのでしょうか? イタリア戦で左サイドを崩されました。予選では鈴木啓太がカバーしていたゾーンです。選手たちが、5月のチュニジア戦以後の慣れない構成に、対応できなかったのではないでしょうか? また、中盤の攻防で負けているようでは、GKにオーバーエイジを使っても意味がありません。

PS 女子は初戦でスウェーデンに勝ちました。ザイストで見た練習のメニューがセットプレー中心だったことを思い出しました。GKとDFの間のスペースを狙ってボールを入れる「想定」練習が見事に「当たった」わけです。女子は男子と比べると、強豪国であっても相対的に守備陣がゆるいため、日本の得点のようなシーンは多々ありえます。アジア予選の対北朝鮮戦も、DFのクリアミスが得点のきっかけでした。作戦勝ちです。この試合の独断MVP=酒井選手。抜群のポジショニング、状況判断、闘争心など、持ち味が出ました。複数で相手を“つぶす”組織的プレーの要です。右サイドの川上がオーバーラップをしやすいように絶妙のタイミング内側に動く点など、フル代表の男子選手も見習うべき点があると思うほどです。

(2004年8月15日)
文=木次成夫

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