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Vol,32 Vol,28全日本少年サッカー大会観戦記(24 Aug, 2004)

 去る8月2日〜7日、よみうりランドを主会場にVol,28全日本少年サッカー大会(以下、全少)が開催されました。過去、幾多の代表選手がこの全少から巣立っているので、将来の日本代表の卵を探すという意味で、観戦してきました。

よみうりサッカー場では、選手のかけ声と、背後の遊園地のアトラクションから聞こえる絶叫が入り混じってなんとも独特な雰囲気です
よみうりサッカー場では、選手のかけ声と、背後の遊園地のアトラクションから聞こえる絶叫が入り混じってなんとも独特な雰囲気です
 48の参加チーム(各都道府県代表+前年度優勝チーム)が、予選ラウンドを連日1〜2試合のペースで勝負していきます。開催期間中の平均気温は30度をゆうに超える猛暑。大会会場は多摩丘陵という盆地に位置しただでさえ暑いのに、心配している親たち観戦者をよそに、選手たちは元気にプレーしていました。過去の大会で伊東輝悦選手(Vol,10大会優勝チーム・清水FCのメンバー。現・清水)が見せたような、単独ドリブルで相手を何人も抜いて点を決めてしまう選手がいるのかと思いきや、意外にも多く感じられたのが戦術重視の「大人な」チーム。

 選手たちのプレーもFWは常にDFラインの裏を狙い、そこにトップ下がスルーパスを通す。DFは無駄に飛び出さず、カバーリングやコーチングに力を注ぐ……。全員がそうとは言い切れませんが、フィジカルよりも頭を使う選手が多かったように思います。

Vol,25大会より、味の素スタジアムが決勝会場になっています
Vol,25大会より、味の素スタジアムが決勝会場になっています
 戦術重視のサッカーが広まってきているのと、関係しているのかいないのか、今年の全少は史上初めて、ベスト4にJリーグの下部組織のチームが3チーム残りました。あるサッカークラブの監督が「J(リーグ)下部組織のチームには別(の大会)を作ってほしい」と苦笑しながら言ったように、セレクション方式で選手を集め、戦術育成が行き届いているJクラブの下部組織は、今の少年サッカー界では実力が上位に位置すると言えるでしょう。

 ベストゲームは準決勝のヴェルディ ジュニアvs.横浜F・マリノス プライマリー。今大会の傾向を象徴するような戦術的チーム同士の対戦は、プレスのかけ方といい、サイドを意識した攻撃といい、まるでトップチームが対戦しているのかと見間違えるほど。結局、延長戦の末、横浜が2‐0で勝ち、決勝でも柏レイソルユース U‐12を下して、神奈川県勢初の全国制覇を達成しました。

 以前ほど突出した「個」の実力ははっきり目撃できませんでしたが、「今年の6年生はレベルが高い。全国を見てもこの世代の選手は優秀だ」という言葉が聞かれたように、10年後を楽しみにさせる人材が見受けられたことは確か。今の全少を糧に、この先も世界に誇る選手が育っていってほしい、と選手たちの無邪気な笑顔を見ていて素直に思いました。

(2004年8月13日)
文、写真=伊藤亮

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