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Vol,46 天然芝の校庭(1 Dec, 2004)

全面に芝生が植えられた池田小学校の校庭△全面に芝生が植えられた池田小学校の校庭
運動会に参加した際の写真。校内には、このほかにいくつもキャプテンの写真や色紙が飾ってあり、交流の深さを感じさせる
△運動会に参加した際の写真。校内には、このほかにいくつもキャプテンの写真や色紙が飾ってあり、交流の深さを感じさせる
サイドキックの蹴り方を児童に教える川淵キャプテン△サイドキックの蹴り方を児童に教える川淵キャプテン
ゴールを使ってPK合戦。キャプテン自ら手本を見せる
△ゴールを使ってPK合戦。キャプテン自ら手本を見せる(写真中央)
■川淵キャプテンと池田小学校
 25日、鹿児島県指宿市にある池田小学校を訪れました。全校生徒約90人という小さな学校を訪れた目的は、川淵三郎キャプテン取材のため。キャプテンと同校は4年ほど前からの“お付き合い”で、過去3訪問しています(2年前の訪問時には運動会にも参加)。そして今月、4目の訪問をすると聞き、その模様を取材しに行ったというわけです。

 朝の講義では、この学校との出会いに始まり、サッカーは高校から始めたということ、中学までは野球をやっていたことなどの半生から、サイドキックやインステップなど基本の蹴り方が大事であるということなど、質疑応答を交えなが熱弁。ちなみに講義終了後、学校の生徒からお礼として歌のプレゼントがあったのだが、その最中には思わず涙する場面も。「年を取ると涙腺がゆるくなるんだよ」とは、照れ隠しのコトバ!?
 サッカー教室では、サイドキックの基本を重点的に教え、PK合戦やミニゲームを実施。12月には68歳になるキャプテンは、そのすべてを子供と一緒に汗を流していたのだから、頭が下がります。

 ところで、なぜ、キャプテンはこの学校を過去何度も訪れているのか? それは'00年、偶然車で学校前を通りかかった際に、校庭一面に天然芝が広がっているのを見たから。'93年のJリーグ開幕以来、「全国の小学校の校庭を芝生にしよう」と叫んでいたキャプテンにとって、この学校はそのモデルケース。当時、誰にも相手にされなかったというキャプテンにとって、まさに「夢」を現実のものにしていた学校だったのでした。ちなみに池田小学校が天然芝にしたのは古く、1972年のこと。理由は、風が吹くたびに舞い上がる土埃の防止。
「はじめてこの学校に来たときは2月で、まだ芝が茶色かった。緑になったときにまたやってくると言って、その年の('00年)5月に2目の訪問をしたんです。それ以来、池田小学校とは“親戚付き合い”」(川淵キャプテン)
 実際に自分の足で天然芝を踏みしめていると、そのフカフカした感触に得も言われぬ心地よさを感じ、童心に返ってボールを蹴りたい衝動に駆られます。写真では時期の関係もあってやや茶色化していますが、春〜夏にかけては見事な緑に出会えるとか。その時期にまた、訪れてみたい。

■天然芝がもたらすもの
 そもそも、キャプテンが「校庭の天然芝化」を主張していたのは、「酸素の供給になるし、夏には温度を下げる効果がある。そして何より心が安らぐ」(キャプテン)など、環境にとっても人にとってもプラスになることが多い、という理由から。
 天然芝にはメリットが多いものの、管理と維持にはたいへんな手間がかります。肥料撒きや散水、芝刈りなどの作業が必要となり、当然、費用もかかります(同校ではそれらの作業はPTAの方々が行っている)。それでも眼前に芝生の広場があることで、運動が苦手な子供や年寄りも外出したくなることもあるのだから、前出のメリット抜きにしても、「近くにあってほしいもの」です。
 同校では運動会は学校の生徒だけでなく、地域の運動会として老若男女が混じって行われるということです。人口約1700人という決して大きくはない農村であることも理由のひとつでしょうが、緑の天然芝があるから、というのも立派な理由のひとつだと思います。

 最近は、「東京や千葉、京都などでも天然芝の学校が増えてきている」(キャプテン)。この池田小学校の例でも分かるとおり、芝生の校庭が地域のコミュニティとなり、世代を超えた交流を育むキッカケになるかもしれません。「隣の人は何する人ぞ」となりがちな都市部においては、なおさらでは?

 ちなみに12月20日発売の『FOOTBALL Nippon』2004冬号では、川淵三郎キャプテンのインタビューも掲載予定。こうご期待。

(2004年11月30日)
文、写真=秋元

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