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Vol,53 2月10日、日本対北朝鮮の後、考えたこと(10 Feb, 2005)

 大黒将志がロスタイムにゴールを決めて、日本が勝ちました。良かったです。でも、様々な疑問が残りました。

1=大黒は昨季、ガンバで大活躍しました。が、初招集はカザフスタン戦の前。練習試合でも良い動きをしていましたが、ジーコ監督はカザフスタン戦、シリア戦という大事な強化試合で短時間しか起用しませんでした。

2=決勝ゴールはポジショニングが偶然良かったからという面がありますが、その前に大黒は、ペナルティエリア付近でボールを受け、素早い出足でDFを翻弄するプレーをしました。シュートには至りませんでしたが、機敏な動きは今までの選手にはないものでした。なぜ、今までジーコが招集しなかったのか……疑問です。

3=中村俊輔を起用して4-4-2にしました。そこで代わったのは、三都主と加地亮の運動量が増えたことです。攻撃的MFの2人、つまり中村と小笠原満男はどちらかというとパサーで、サイドアタッカーではありません。でも、サイドアタックは現代サッカーにおいては欠かせません。では、どうするか。両サイドDFが長い距離を走るしかないのです。あるいは、ボランチの2人が、「迂」して攻撃参加することです。

4=北朝鮮はフラットが守備ラインの4-4-2でした。個人のボールタッチ技術はイマイチでしたが、スペースの狙い方、狭め方など組織的な動きは日本以上だったと思います。ですから、ジーコの選手交代を見ていて、「ヤバイ」と思いました。なぜ、サイドDFの「裏」を狙われやすいような布陣にしたのか?????です。

5=サッカーの戦術は人さまざまですし、結果が大事なのはわかっていますが、日本の布陣には疑問が残りました。たとえば、宮本恒靖。彼は統率力に優れているといわれています。でも、1対1の勝負には弱いです。シリア戦でも2歩相手に走られると、ほぼ負けていました。彼を「指揮官」として起用する策は理解できますが、1人=宮本は指揮官で実質9人(9.5人かもしれませんが)でサッカーをするようなものです。それでも起用する価値があると思うからこそジーコは起用するのでしょうが……僕は田中誠をセンターにして(昨年のチェコ戦などで実証済み)、右は松田直樹か鈴木秀人(ジュビロ)のほうが、良いのではないかと思う面もあります。また、中澤佑二の頑張りは賞賛できますが、左足のパス能力がある(Wカップで実証済み)という点でも中田浩二をDFで起用するのも良いのではないかと思います。さらには、今最も必要だった「欧州組」は、「戦える」稲本潤一だったのではないでしょうか?

 前に出る意欲のない高原直泰は、相手にとって怖い存在ではないと思います。いずれにせよ、今後ジーコが真剣にやりたいなら、カーニバルや誕生日(3月)などを理由にしないで、様々な選手を見て欲しいと思います。ちなみに、「ジョホールバルの奇跡」の際、岡野が歴史的ゴールを決めましたが、当時、彼は器用がないのでコンディション不良でした。岡田武史監督の名采配といわれていますが、岡野は「途中で疲れた」と言ってました。つまり、調整ミスですし、偶然の「名采配」です。
 みなさん、結果に騙されないように。大黒のゴールを大騒ぎしている時点で、マスコミは「営利主義」だけであり、真面目にサッカーを見ているとは…・少なくとも僕には思えません。

 

PS 大黒の活躍&宮本のプレーを見て……あらためて、西野監督はサッカーを見る目があるのかもしれないと思いました。アトランタ五輪でブラジルを破った人ですし……でも、なぜか、日本サッカー界の評価は、少なくとも「ナンバーワン」ではありません。
 かなり、理解できないことです。

(2005年2月9日記)
文=木次成夫

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