たかだか初戦の「偶然の勝利」に大騒ぎする大マスコミの報道を見て、日本が問われているのは、ワールドカップ出場ではなく、出場は当然&本大会でどこまで上位に食い込めるかではないのだろうか、と考えてしまいました。もちろん、ワールドカップ出場は簡単なことではありませんが、目先のことに喜び、長期的な視野がなくなっている気がします。
たとえば、ヨーロッパではA代表の試合前夜、U-21代表の試合があります。対戦相手はA代表と同じですが、試合開催地は別です。「将来のA代表」強化策として、非常に価値のある習慣だと思います。
今でも僕は'97年の春のユーゴスラビア対スペインを見に行った際のことが印象に残っています。スペインのU-21代表に1人、目だった選手がいたのです。'98年のワールドカップにはA代表として出場したモリエンテスでした。U-21での実績が評価されてA昇格を果たしたというわけです。
日本もヨーロッパと同じようにできないものでしょうか。U-21ではなく、U-22でも「B代表」でもかまわないのですが、本大会に向けての強化策として意味があると思うのですが……。
ワールドカップ予選の年は、五輪の翌年ゆえに、「U-23代表」はありません。つまり、まだ伸びるかもしれない選手の強化が十分にできないのです。そもそも、ワールドユースは2年に一度で、五輪は4年に一度ゆえ、例えば'03年のワールドユース世代は「五輪は2学年上が主体」になり、チャンスに恵まれていません。ましてや、玉田圭司のような「アテネ五輪世代よりも1学年上」の選手は、シドニー五輪では「最年長よりも3学年下」だったので、相当の早熟でない限り、A代表までチャンスがないのです。
もし、五輪の「中間年」(つまり冬の五輪の年であり、ワールドカップの年)に「アジアU-23選手権」でもあれば、菊地直哉、谷澤達也、永田充ら「'03年ワールドユース世代」の強化になると思うのですが……。是非、キリンの方々には考えてほしいものです。
ふと、思いついたのですが、ジャニーズ事務所は、つねに「将来のスター候補」を意識して育てています。現在のスターのバックで躍っているのが、未来のスターなわけです。合宿所での練習ではなく、本番を経験させることは"たとえバックダンサーであっても"非常に意味があることです。日本代表も、それを見習ってほしいものです。
かつて、日本では、「バックアップメンバーの強化」のために、「日本選抜」あるいは「B代表」を作ったこともありました。たとえば、'93年の2月には「ドーハの悲劇」にいたる予選に向けて、A代表の何人かと若手でチームを作り香港に遠征しました。その際、台頭したのが澤登正朗で、アジア予選でA代表に昇格し、一次予選突破に貢献しました。また、'96年(アトランタ五輪の年)は、「25歳選抜」でデンマークに遠征しました。その際、ボランチにコンバートされ、急速に台頭していったのが名波浩でした。また、当時は荒削りでしたが、岡野雅行、森島寛晃もいました。今、思えば、加茂監督の「大ヒット」です。
是非、ジーコ監督にも考えてほしいものです。例えば石川直宏、田中達也、茂庭照幸など「アテネ五輪世代」ながらもA代表に選出されない選手が「来年までに、いっそうの成長を遂げる」かもしれないのですから。繰り返しになりますが、現在の日本に問われているのは、ワールドカップ出場ではなく、出場してどこまで上位に食い込めるかだと思います。
PS 埼玉スタジアムのアクセスの悪さにムカつきませんか? 例えば約10万人収容できるFCバルセロナの「カンプ・ノウ」スタジアムは試合後30分もすれば、周囲はガラガラになります。ロッテルダムの「フェイエノルト」スタジアム、ミラン&インテルの「サンシーロ」なども同様。僕は日本で試合を見るたびに、「こんなのは日本だけだ」と思ってしまいます。では、なぜそうなのか? 作る人たちが、アクセスのことを考えていないからとしか思えません。
(2005年2月13日記)